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原価計算から紐解く「スターバックスのカップ値引きがマクドナルドにはない理由」

   

スターバックスのカップ値引きをマーケティング以外の視点から考えてみます。

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スターバックスのカップ値引きとは?

 

私は結構スターバックスを利用することが多いです。

ちょっと時間が空いた時に勉強、仕事、読書…などをするには快適な場所です。

さて、そんなスターバックスでマイボトル(水筒、タンブラー、マグカップもOK)を持参してドリンクを注文すると20円引きになる「カップ値引き」
という制度があることは多くの人が知っていると思います。

実は今日もそのカップ値引きで購入したコーヒーを飲みながらこのブログを書いています。

なぜこのようなカップ値引きがあるのか、マーケティング視点で考えると以下の様なことが思い浮かびます。

・スターバックスが環境に配慮しているというブランドイメージを築くため

・スターバックスのタンブラーの売上を上げるため

・お得感でリピーターを増やすため

他にも様々な理由があるかと思いますが、あえて私はそれ以外の「原価計算」という観点から、

なぜスターバックスはカップ値引きが「できるのか?」を書きたいと思います。

 

マクドナルドとの比較

話を分かりやすくするために、マクドナルドと比較します。

マクドナルドのホットコーヒーはSサイズ(175ml)で93円(税抜)。

カップ値引きのような制度はありません。

マクドナルドが低価格を維持できるのは、徹底したコスト管理があります。

原材料の価額はせいぜい数円。

人件費(アルバイトの時給)は、平均で900円ほどでスターバックスとあまり変わりありませんが、

回転率の高い(つまり多くのお客さんが来て、食べたらさっさと帰る)マクドナルドは、一人のスタッフが

1時間で作るドリンクの量が多く、結果としてコーヒー1杯にかかる人件費は下がるのです。

そう、数が勝負なんです。

時給900円のスタッフが1時間で50杯のコーヒーを淹れれば、1杯あたりの人件費は18円。

もし1時間で100杯を淹れれば、1杯あたりの人件費は9円になります。

原価計算は、このように人件費を生産量で割って求めます。

 

さて、対してスターバックスはどうでしょうか。

ホットコーヒーは、ショート(220ml)で280円(税抜)。

マクドナルドよりも分量が約20%多いですが、価額は3倍です。

では、原価も3倍かというと、そうでもなくやはり原材料は数円~十数円と

いったところでしょう。

違いが出るのは、人件費のほうです。

スターバックスも人気のお店なので、大勢のお客さんが訪れますが、マクドナルドと比べると

少ないといえるでしょう。感覚的には半分以下です。

その分、コーヒー1杯あたりの人件費は増加しますが、3倍の価格の中で吸収しています。

これが重要なポイントになります。

 

スターバックスがカップ値引きができる理由

2つあります。

まず1つ目は、「値引きが可能な利益の確保」です。

公開されていないので、仮定の計算ですが、両者のコーヒー1杯あたりの利益はこうです。

マクドナルド:93円(売上)ー20円(筆者の予想する原価)=73円

スターバックス:280円(売上)ー50円(筆者の予想する原価)=230円

原価には誤差があるかもしれません。しかし確実なのは、

売上が3倍だからといって、原価は3倍ではない。

ということは断言できます。

原価の他にも、テナント料や光熱費などありますので、実際はもっと低い利益になります。

スターバックスの方が、値引きをしても利益を確保できる余裕があるのです。

マクドナルドは20円値引きしたら赤字になるでしょう。

かと言って、価格に合わせて100円のコーヒーを7円引きにされても、お客さんはあまり喜びません。

それなら値引きをしなくてもよい、となります。

2つ目は、「お客さんにかけられる時間が長い」です。

マクドナルドは、量が勝負と上述しました。

よって、「イレギュラーな対応」は困るのです。

コーヒーの注文を受けてから、紙カップをコーヒーメーカーにセットし、決まった分量を入れて蓋を閉めて出す。

この一連の動作をマクドナルドは10秒以内に行います。

どのお客さんであっても画一的な対応でマニュアルが作成されており、それを徹底して価格を下げるのがマクドナルドの強みだからです。

スターバックスは、マイボトルを差し出すと、軽く水ですすぎ、計量カップでコーヒーを測り、タンブラーに注いで出してくれます。

早くても30秒はかかります。

スターバックスでは当たり前の対応ですが、マクドナルドからすれば「イレギュラー」でしょう。

こんなことをしたら、1杯あたりの原価が上昇し、やはり赤字になります。

 

最後に、断っておきますが、両者は同じ飲食店でもビジネスモデルが異なりますので、私は優劣をつけるつもりはありません。

あくまでも両者の違いから、原価計算の考えかたを紹介したまでとなります。

ところで、この前驚いたのですが、マクドナルドで「フライドポテト塩抜き」を注文している人がいました。

これを注文する人が増えてきたら、廃止になるでしょうね…。

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